2007/03/04

今年の学生合宿UTS

今年のUTSも先週末滞りなく終わった。

今年に限って言えば大変大きな収穫と進展があった合宿となった。
何が大きな収穫であったか?
以前にも書いたが大学拳法部間の姉妹クラブ宣言書の署名である。

今年の学生合宿には日本から18名もの参加があった。
監督、学生共に力を合わせて署名にやっとこぎつける事が出来た。
何事でもそうだが一つのことを成し遂げようとすると非常に大きなエネルギーが必要になる。今年の場合も昨年来からの準備に大変な時間がかかった。

宣言書の主将と監督による署名は最終段階、つまりセレモニーの段階である。
これに至るまではお互いの大学が監督から学生に至るまで幾つも課題を乗り越えなければならない。現役の学生拳士だけでは無くOB会などの協力も必要になる。

今回締結された宣言書には
 『両大学少林寺拳法部は少林寺拳法の教えと精神に則り、この宣言を所属学生はもとより関係者の絆を深め、相助け、相譲り、相互の交流を深め、より一層の発展を期す礎とする。
と書いてある。
大切な事は少林寺拳法を通じてお互いがより緊密に交流を図る努力も義務付けていることである。

日本からこの為に駆けつけてくれた学生諸君は「ある種のカルチャーショック」も経験した事であろう。

通常、英国連盟の学生合宿は大学の修学期間中に行われる。よってホームステイなども学生のフラットや寄宿舎が中心である。期間が2日間と言う事もあり、場合によっては寝袋持参であったり、拳士が多い場合にはキッチンなどが寝る場所になる事があると聞く。

事前に長旅の日本からの学生に対しては、なるべくベッドを用意するようにと指示は出しておいたが、はたしてどの様なコンディションであったかは定かではない。

小生はある意味において彼等日本の学生諸君にホームステイの実態を理解して欲しいと思っていた。真にお互いを理解するとはそのような「ありのままの姿」であり、特別にゲスト(この場合は学生拳士)の為に取り繕たもてなしでは長続きがしないと考えたからである。

もし英国の学生が日本に行き、同じ様な状況(ホームステイの提供)になった場合にはこの経験が大きな助けになるはずである。現実的な学生としての対応が無理なく出来るであろう。
その事に対して彼等は決して不満を言う事は無いはずである。むしろ家族全員でもてなすと言った過剰なホームステイの方が彼等にとっては負担に感じる事が有ると思う。

今回の大学拳法部姉妹クラブ締結に至るまでには、多くの人的な結びつきも必要であった。
ダラム大学と札幌学院大学のケースは2年前に福井で催された国際大会の後、札幌を訪れた我々を暖かく迎えてくれたのが旧札幌商大のOBと現在の札幌学院の学生拳士である。

同行のダラム大学監督と札幌学院大学OB会との間で、この訪問をきっかけにして姉妹クラブを立ち上げられないか? と言う話になった。 元々その様な交流を考えていた自分の構想と一致した事もありこの話は実現の運びとなった。

又同時に昨年夏と秋に北海道大学少林寺拳法部の野坂監督がグラスゴーを訪れる機会が2度有った。
丁度その北大においてもグラスゴー大学拳法部OBでロンドンでも小生の道場に通っていたアラン拳士が、5年以上も北海道大学で研究の傍ら少林寺拳法も続けている事から、彼の母校グラスゴー大学と北海道大学も姉妹クラブを締結しようと言う話になった。

今一つはロンドン大学UCLと南山大学瀬戸校である。
昨年の夏季合宿に参加して指導してくれた小生の先輩、佐々木先生(尾張瀬戸道院)の門下の濱寄監督が両拳法部の発展をと姉妹クラブを宣言するに至った。
UCLの少林寺拳法部に昨年から南山高校出身の女子学生が入部して居る事も偶然とは言え良い機会となった。

この様に偶然や又人々の願い、そして少林寺拳法に対する熱い情熱が無ければ決して実現までたどり着ける事は無かったであろう。彼等学生、監督、OBが一体となって努力した結果がこの様な形で身を結んだ事に敬意を表したい。又関係者の一人として大変嬉しく思う。
これからの学生拳士諸君の一層の活躍に期待している。

結手



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