2008/08/25

北京五輪の日本選手団はかわいそうだ

北京オリンピックでの日本選手の活躍は、残念ながら海外では日本と同じ様には見られない。

英国は公共放送のBBCがオリンピックの放映権を持ち、殆んど全ての競技をカバーしているように主張しているが、当然の事ながら英国の選手が活躍する競技を中心にプログラムが組まれているので、英国が参加しない野球やソフトボールなどは全くカバーされていない。

この様な我々日本人が期待する競技はインターネットのニュースが唯一の情報源となる。日本オリンピック委員会(JOC)が目標とした北京オリンピックでの獲得メダル、金10個以上(総数でいくつだったかは忘れたが)は、残念ながら目標に及ばなかった。

小生が受けた最初の違和感は開会式での行進である。こればかりはBBCでも全て映しているので、直ぐに分かった。何が違和感かと言えばどこの国の選手団でも、自国の国旗を誇らしげに振ってにこやかに行進しているのに、日本の選手団だけが自国の国旗(日の丸)と中国の国旗を同時に振らされていた事である。

この様な要請が中国からあるはずは無い!
もしあれば全ての国であるはずで、他国でも一つや二つ中国国旗を同時に振って行進していたはずであろう。しかしながら開会式当日の選手団で自国の国旗以外を振っていたのは日本の選手団だけだった様に思う。

なぜこんな事をしたのだろうか?小生は今もって理解に苦しむ。オリンピック開会式の入場行進と云えば、多くの参加国数による開催国の国威発揚(特に今回のオリンピックではその傾向が強かった)が一つの大きな目的である。それだけに、これを強要したJOCの責任者は何を考えているのだろうと余計あきれてしまった。

よその国の国旗を振らせておいて「自国(日本)の為に誇りを持って戦え(頑張れ)」と云えるのか?相当頭の悪い権威を持った者が命令したのであろう。

日本に中国との戦争の歴史があり、国民が日本に対して悪感情を持っているから、少しでもご機嫌を取ろうとしたのだろうか?

しかし中国と戦争をした国は日本ばかりではない、英国もドイツもそれぞれ植民地を持ち少なからず悲惨な歴史もあることは誰でも知っている。第一に当事国である中国がオリンピックに政治を絡めさせたくない事は明白である。これ程までに世界各国で相次ぐ妨害や抗議行動にあう聖火リレーを過去に見たことが無い。中国にしてみれば直前に起きたこの様な世界の反発や、チベット等の独立問題などの政治色をオリンピックから切り離すことに苦心していたはずである。 

そんな事情のある国で日本が過去の戦争責任や国民感情におもねっていたとすれば、選手にしてみればいい迷惑であり、戦う前から『遠慮して!ほどほどに頑張りなさい』と云っている様なものではないか。どこの国の選手も国の代表として誇りを感じて国旗を背負い戦う(競技する)わけである。その戦いの前に司令官が主催国におもねる様では初めからメダルの目標など口にしない方が良い。

全力で戦った選手には心より敬意を払うが、他国の国旗を選手達に振らせた責任者には日本国民の前で正式な謝罪をしてもらいたいと感じるのは自分だけであろうか?中国は日本の宗主国ではない。この様なへりくだった行為が過去最大の選手団を送りながら、前回のアテネ大会よりもメダルが取れなかった一つの要因ではないかと思う。

オリンピックは見るものを興奮させる。そして何よりも自国の選手が勝つと単純に嬉しい。必死に戦うアスリートは結果の如何を問わず世界中を感動させる。自国と関係の無い選手の世界新記録にさえ、時にはおめでとうと言いたくなる事さえある。

自分と自国のプライドとを背負って戦う素晴らしいアスリート達に困惑を与えたJOCの責任者に言いたい! あなた達に負けた選手や監督を批判する資格は全く無いと。

2008/08/05

世界安全情報とは

ヨーロッパ地区で放送される日本語のテレビ放送で毎日何度も『海外安全情報』と言うものがある。この題名どおり受け取れば、海外で安全な国か場所のことを情報として流してくれる!と受け取れるのではないか?

しかし現実に流されている情報はまったく逆で、海外における日本人旅行者が被害にあった情報で、『どこどこの国ではこの様な危険があります。日本人が被害にあっています!だまされない様に注意しましょう。』と言うものである。

確かに安全ではない国を紹介するわけであるから、それらの実例を挙げられた国の国民にとってはなはだ迷惑な情報かもしれない。しかし現実問題として事実に基づいた情報であれば仕方が無いであろう。

問題は本来『海外危険情報』と言うべきところを『安全』とまったく逆の言い方をしている事である。外国からのクレームを気にしてこの様な言い方をしているとすれば全く日本人をなめている事にはならないであろうか。いくら文句を言われるのが怖くても事実を伝えることが公共放送としての役目のはずである。

その大切な情報の主題が全く逆の言い方をしているとすれば日本以外の国であれば即座に国民からクレームがつくはずである。日本人はその様な事(文句)は言わないだろうと高をくくっているとすれば、それこそ自国民を見下ろした態度のように思うがどうであろう?

もし仮にイギリスのメディアが外国における危険情報として日本で実際にあった事件を例に挙げ、『日本ではこの様な事件が起きて英国人が被害に会っています、気を付けましょう!』と紹介したとする。その紹介された事件が事実と異なれば日本政府からクレームがつく事は充分に考えられる。しかし、現実にあった事件であれば文句の付けようもない。

たまたま英国人が被害者であっただけなのか、はたまた英国人を狙った特殊な事件かはこの際問題ではない。何故ならば現実に起きた問題であればその事件そのものに対する危険度を自国民に喚起することに何処の国が文句を言うであろうか。北朝鮮くらいは言うかもしれないが?

日本人は狙われやすい!
特に外国では日本と同じように行動する事がいかに狙われやすいかを当の日本人自身がほとんど理解していない。

なぜ日本人は狙われやすいのか?
先ず日本国内が比較的安全である。此の頃は日本に住む外国人の数も増え犯罪も国際的になってきたと言われるが、まだまだそれでも安全度は高い。通勤電車で居眠りしている人があれほど多い国も珍しい。

日本の社会は現在も現金を持ち歩く人が多い。犯罪が多くクレジットカードがいち早く発達した欧米に比べ、利便性が理由で携帯電話やいろいろなパスが増えてきた日本では構造が全く異なる。海外に旅行する人達でも多額の現金を持ち歩く旅行者として知られており犯罪に巻き込まれやすい。

また犯罪にあっても大声を出さない。言葉が話せない事も一因かも知れないが大声は出せるはずであるにもかかわらずである。そして目立つ!ヨーロッパ社会の中にあっては、最近でこそ韓国人や中国人の旅行者が多くなってきたが少し前までは東洋人の旅行者はほとんどが日本人であった。

以上の様な事を考え合わせるとよく目立って、現金を多額に持ち歩き、被害にあっても大声で騒がない! 犯罪者にはもってこいのターゲットと言う事になる。その様な事を考えれば世界中に日本の情報を発信している日本の衛星放送では、その本質をズバリ伝えることこそが重要な任務ではなかろうか。

『危険情報』を『安全情報』等と言葉を変え外国の顔色ばかり伺うような放送をしていては、相変わらず日本人は海外の犯罪者からすれば『お人好しの一番狙いやすいターゲットですよ』と言う事を政府が保証しているようなものではないか。