先立つ2015年の神戸で採択されたのは、IKA加盟国の中から毎年1ヶ国がIKAの公式行事として大会と同時に特別講習会を主催するという取り決めである。2016年はチェコがその役目を担う事になり主催するチェコの支部長達は非常に喜んで受け入れてくれた。
世界遺産の修道院 |
当時の私はWSKO理事であり、自然の流れとしてWSKOを紹介した。その後本部に問い合わせた本人から再び連絡を受け、「WSKOとしては指導員を派遣する事は出来ない、近隣の支部(ドイツ又はフィンランド等)に入門して始める様に」と言われたそうである。その上で本人からは「国外の支部に行き修練するのであればロンドンまで通いたい」と言う申し入れだった。
そうは言ってもチェコからロンドンは飛行機でも2時間近く掛かる事になる。後に分かった事ではあるが彼の住む町、カルロイバレーは首都プラハから車で2時間半近くも離れた場所である。いつまで続けられるのか私にも分からなかったが、本人は実に真剣に取り組んでいた。初段になり黒帯を締めるまでは指導し始めて5年程の歳月が流れたが、大変うれしかったようである。
カルロイバレーの街 |
そんな歴史を持つチェコの道場には数多くの青少年達が集まる事になり、益々活発にIKAメンバーとして発展している。 2年前にはスロバキアから新しく支部を開きたいという者が現れた。彼も以前少林寺拳法を習ったことが有り、現在は柔術を指導しているとの事であった、講習会に黒帯で参加していたので、何処で少林寺拳法を習ったのか本人に詳しく聞いてみた。
その結果は、柔術を指導していた日本人の指導者が、少林寺拳法の技も出来ると言う事で指導を受けたと言う内容であった。何十年も前に少しだけ習った技は、残念ながら面影は残すものの随分崩れていた。そこで私が「君は真剣に少林寺拳法を始めからやり直す気持ちがあるのか?」と質問すると、「是非やりたいので指導してほしい」との返事だった。そこで私が「では白帯をして初めからやりなさい」と言うと、すぐにチェコの支部長から白帯を借りて練習し始めた。
大会記念のケーキ |
この様に見てくると、将来のIKAの前途には現時点では未知数ながら、大変将来性のある人材が育ってきて居る様な気がしている。今年はスペインがIKAの開催国として大会と特別講習会を取り仕切る事が決まっている。4月の大会には日本からの参加者も含め私達BSKFも大会出場や講習会に駆け付ける所存である。その他のIKA加盟国も近隣と言う事もあり多数が参加すると聞いている。
古代遺跡にて |
今年も未だ1月だと言うのにすでに参加したいと言う申し込みが届いて居る、嬉しい限りだ。昨年日本から参加して頂いた指導員の先生にも彼らの熱心さは伝わった様で、参加した事で指導する側にも彼ら拳士の拳法に対する取り組みが伝わった事を知り嬉しかった。
講習会の様子 |
修復された古代遺跡シアター |