2007/07/31

車の色

街で見かける車の色が国により異なる事に気が付いたのはかなり前である。日本とヨーロッパでは違うし、同じヨーロッパでも国により少しづつ異なったテーストがあるようだ。これとは別にナショナル カラーと言う色が存在する事も確かにそれらの嗜好に影響を与えているのかも知れない。

以前は車のレース等で製造国のナショナル カラーを決めていた。英国のブリティシュ レーシング グリーン(オリーブ グリーンに近い濃い緑色)やフランスのフレンチ ブルー、そしてイタリアの鮮やかなイタリアン レッド等は有名である。ドイツはシルバー メタリックで日本は白がナショナル カラーとして認知されているらしい。

この様に見てみると確かに日本では白い色の車が他の国に比べて圧倒的に多いことに気がつく。英国などでは白色は車の色としては少数派である。曇り空が多い英国では日本のように太陽の光が強くない。光の反射による白特有の輝くばかりの魅力が出ない事になる。そればかりではないと思うが雨の日が多ければ車が汚れる事も白ではよく目立ち必然的に白い車対する需要は少なくなるのではないか。

英国ばかりでなく北ヨーロッパの国ではメタリック車が多い。グレーやベージュのメタリック カラーは雨や埃で汚れた車体をうまく目立たなくさせる事をこれらの国の人達はよく知っている。そんな理由からメタリック カラーの車の数が多いように感じる。

先に挙げたナショナル カラーがレースに使われる車の色として定着したのには色々と理由があったのであろう。それらの詳しいいきさつは知らないが1960年代くらいまでのグランプリ レーサーがブリティシュ グリーンやフレンチ ブルー、イタリアン レッドとして使われたことは有名である。グランプリばかりではなく耐久レースのル マン等で活躍した車でもこれらのナショナル カラーは使われている。

ブリティシュ グリーンのベントレーやアストン マーティン、フレンチブルーのブガッティからルノーそしてイタリアン レッドのアルファやフェラーリ、シルバーに塗られたメルセデスやBMWなどが活躍していた。では日本の白はどこから来たのであろうか?

60年代に生沢徹がヨーロッパで使ったホンダS800や、ホンダのグランプリカーの車に白が使われ、ヘルメットも白で車体と同様に赤い日の丸が入れられたと真実かどうかは不明だが聞いたことがある。そう云えばホンダのグランプリ カーで初めて優勝したリッチー ギンザーの65年メキシコ グランプリの車も白色にライジング サン(日の丸)であった。

最近ではナショナル カラーよりもスポンサーが重要になりどのティームもこだわってはいないが、今年のGPカーでもマクラーレン メルセデス、パナソニック トヨタ、マルボーロ フェラーリ、スーパー アグリの4ティームは何らかのナショナル カラーを残しているように見える。

国民に支持される色も確かにある。その全てが国旗からきている訳ではない。それが取り入れられた経緯は別として、数多くの人達からイメージされるその国(車)のシンボル カラー メルセデスやNSUのシルバーメタリック、フェラーリやアルファロメオのイタリアン レッド等など環境や歴史から作り出されたこれら車の色にもなにかしらのメッセージがこめられているように思う。

今年のグランプリ カーで日本のホンダが採用した宇宙から見た地球をデザインしたカラーには正直驚いた。残念ながら成績はこれまでのところ良い結果は出ていないが、人々に与えるメッセージとしてはこの様な環境破壊の象徴的なグランプリ カーにも『地球環境を考えていますよ』と言うメッセージになるならば一つの目的は果たしたかもしれない。

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