2007/05/24

成熟した車製造国日本 ~その1~

自動車のレースはヨーロッパではかなり歴史がある。1920年代にはすでに多くの地域においてレースが行われていた。

ガソリン自動車そのものの歴史はそれ程長くは無く120年くらいの歴史だが、日本も歴史の上では1920年代からすでに国産の車を作っていたと言うから、ヨーロッパと北米以外では数少ない生産国の一つであっただろう。

しかし、意外とこの様な事実は海外では知られていない。それどころか日本の自動車産業は戦後に始まったと考えている欧米人は数多い。

ガソリンエンジン車の起源についてはドイツとフランスがどちらも主張しているが、そこから40年後に日本でも外国からの技術輸入があった事は確かであろうが、生産が始まっていたことは当時の日本が世界でもかなり影響の強い国であった事がうかがい知れる。

最近でこそ日本は先端技術の国と言うイメージで見る外国人も多いが、自分が渡英した70年代中頃までは欧米の技術を取り入れて(コピーして)儲けた国だろう、くらいの印象だった。日本の技術体系はかなり進んでいて、世界的に見ても決して欧米のコピーばかりではないが、その事実を知る外国人は少なかった。

例えばテレビなどは日本人の発明によるブラウン管システムがその普及に大きく貢献した事をほとんどの英国人たちは知らない。それどころかTVそのものが全て英国人の発明だと信じて居る人達が大半である。

ではなぜ日本より早く普及しなかったのであろう。小生が渡英した74年当時すでに日本の家庭ではほとんどがカラーテレビになっていたが、当時の英国はまだ白黒テレビで、しかも比較的小型のテレビを家族全員で部屋を暗くして見ていたので驚いた記憶がある。

自動車産業も戦後の急成長はあるものの、車作りそのものは戦前から日本ですでにあった。只当時の英国やドイツ、フランスと言った国に比べればその発達段階が遅れた事は事実である。

彼等ご自慢のフェラーリやジャグワー、そしてポルシェと言えども歴史的には三菱やトヨタなどと大して変わらない。 名声と言う点ではこれらの車とは分が悪いが、これは車の作られた目的とするところが大いに異なる為である。

主に日本の車は量販車であり、フェラーリやポルシェはスポーツカーで超高価格車である。このところ日本車も高級車を作るようになり欧米のメーカーは相当苦戦を強いられている。

車好きの小生は日本車も好きだが、しかし全て日本車になってしまったら逆につまらなくなるような気がする。多様な個性があるから車も楽しいと思う。多様な個性と、そして選択があったほうが楽しいと思うのだが。

...その2へつづく

0 件のコメント:

コメントを投稿