2007/04/20

歴史教育?

最近の日本から入るニュースを見ていると、どうも変だな?と感じる時がある。

第二次大戦末期の沖縄戦で『米軍に捕虜になる前に自決するように』との指示や命令が“日本軍からあった”ことを教科書から削除する様に文科省が修正意見を出し、修正させたことが話題になっているらしい。

前にも書いたがこういうことは客観的事実に基づいた事例が大切である。
『公的に日本軍から指示があったという証拠がない以上、記載はすべきでない』という文科省の見解ももっともだと思うが,軍が公式に命令したかどうかに関わらず、軍の関与があったことは疑いようがないだろう。

現実に兵隊から命令された人が現在も生存して証言されている。この人達は自決の為に手榴弾まで渡され、事実それを使い自決した人達も数多く報告されている。
しかし、これらの事は昨年までの検定では問題になった事も無く、教科書にも明確に載せられていたという。今年になって、なぜ急に問題となって削除させられたのであろうか。

日本軍によると言われる南京に於ける被害者数に関しては小生も客観的事実が必要だと思う。
しかしその数が中国が主張するように30万人以上であったか、日本が主張する数万人が正しいのかは別として、南京において日本軍が数多くの死傷者を出す事件を引き起こした事実は消す事の出来ない歴史的事実である。

『指示した証拠がないから記載すべきではない』と言うともっともらしいが、うがった見方をすれば、『証拠さえ隠滅してしまえばどうとでもなる』という口実にならないか心配である。『直接的関与の証拠がないから、広島や長崎の原爆や東京大空襲も無かった』と言われる日が来なければいいが。

無差別に一般市民が犠牲になった東京大空襲や広島、長崎の原爆投下は隠しようの無い歴史的事実である。又南京事件そのものも有った事事態は事実として伝えなければならないと思う。

安部総理の唱える 『美しい国』なるものの正体が一体何を指すものなのか?
まさかこの様に少しづつ教科書の内容を変えて、戦前の日本国民のように自民党政府だけを信じさせるような教育をしようと言うのであれば小生はご免こうむりたい。又その様な政治家や政府を支持しない。
前にも書いたが「日の丸、君が代が好き」と言う事と、美化し右傾化した日本を信じることは別な事である。

現在の日本国憲法が随分矛盾した部分を抱えており、政府が何とか憲法(第九条)を改正をして自衛隊を軍隊に昇格させ、海外に展開させたいと考えている事は想像できる。 しかしその事が日本の本当のメリットになるかと問われれば疑問の残る問題であろう。

防衛庁が防衛省に変わった。自衛隊は紛れも無く軍隊であるし、その事を無理に『自衛隊』と言わせてきた事の方がおかしい事は言うまでも無い。何処の国であっても自国を守る軍隊は必要であろう。それが無い国の方がおかしい。日本は世界でも有数の軍備を持ち、何処の国から見ても立派な軍隊であった自衛隊を軍隊と言わせなかった事の方がおかしいと思う。

しかし国連の常任理事国になるために世界中の紛争地に日本人が駆り出されるのなら、そんな常任理事国等になる必要は無いと思う。一部の政治家の対面の為に戦争をやる事なんぞマッピラである。

イラク戦争に自衛隊が派遣された事は誰が何と強弁しても日本の為にならなかった事は明白である。
実際に派遣された自衛官の人達には申し訳ないし、ご苦労様でしたと言いたいが、アメリカの都合に付き合わされた(良い顔をした)小泉首相の判断は、イラクと北朝鮮問題を切り離して対処しなければならなかった事は時間が経てばよりはっきりしてくる事だろう。

国民は政府の為にあるのではなく、政府が国民の為にあることを考えれば本当の意味で美しい国とは国民の為に真摯に政治をやっている国(政府)であろう。決して政府の為に国民を戦争に巻き込もうとする国ではないはずである。

開祖が繰り返し説いた『おかしいことは、おかしい』と言える日本人でありたい。

2 件のコメント:

  1. 君が代、日の丸の件はありがとうございました。早速、先生の記事を紹介したいと思います。
    今回の記事も、興味深く読ませていただきました。事実は一つでも、どのような観点から見るかで、歴史というのはずいぶん変わるものです。現在の日本の中高生が使用している歴史教科書は、私が中高生であった20年前と比べても、かなり変えられています。時代区分、人物名などなど。
    戦争の歴史記事もまだまだ変わっていくでしょうね。どう変わるにせよ、日本人として誇りが持てるような内容であってほしいものです。

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  2. 山本さんへ
    我々も日本の歴史教育(特に近代史)はやりませんでした。 歴史は殆んどの場合戦勝国によって作られてきましたが、そんな中で比較的新しい日本の近代史も当時の生存者が居るうちに出来る限り正確に次世代に伝えていく努力は必要だと思います。
    近隣の国々との摩擦はどこの国であっても利害が対立する事が多く、何も日本だけが近隣諸国と摩擦を抱えているわけではありません。隣国からの歴史認識を全て受け入れる必要も無いと思います。客観的事実を無視した歴史認識には毅然とした対応も国としては必要である事は云うまでもありません。

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