2007/06/19

LとRは難しい

LとRの発音は難しいと言うと「日本人の英語の発音の事か?」と言われそうだが、そうではない。英国人の彼等が難しいと言う話だ。エッと言う声が出そうだが、本当の話です。

昔から日本人の英語発音でLとRが難しい事は良く指摘される事だ。そんな事は分かっている。しかし日本人が難しいならイギリス人だって難しいと思うよ日本語のRで表す単語の発音は!

例えば我々が簡単に発音する『廻蹴』『流水蹴』『連反攻』を英文字で書くと"Mawashi-Geri" "Ryusui-Geri" "Ren-hanko"と書く事になるが、これを普通のイギリス人に読ませるととても日本人拳士が理解できる廻蹴や流水蹴と言う音は出てこない。それは我々日本人が苦労する英語独特のアクセント『LとR』で逆の現象が起こるからである。つまりイギリス人が日本語を発音する場合にも難しいと言うわけだ。

廻蹴の場合"Mawashi"までは普通に出てくる。しかし次の"Geri"はRが含まれているためGeに強いアクセントが来てしまう事になる。そして日本人の苦手な舌先を巻く"R"の発音が最後に強調される事で マワァシ ゲェィリィ と字にするとちょっと表現が難しいがこんな感じの音になるわけだ。単純に日本語で発音するところの蹴(Keri)や連反攻(Renhanko)のRの部分は英語での発音に関して言えば"L"で発音した方がより日本語の発音に近いと思う。

日本語に無い音Thをサと頑なに信じて新聞などでもF1レーサーの名前David Coulthardをデイヴィッド クルサードと書いて居るが実際にはクルタードである。クルサードでは誰か分からない。マイケルをミヒャエル、ロスバーグをロスベルグと書くのはドイツ語やフィンランド語発音をそのまま書いているのだろうと想像するが、はたしてドイツ人やフィンランド人がそのままのカタカナ読みで通じるかは不明である。

この様に見ると何も日本人だけが発音に苦労しているわけではない。単にその国(言語)の習慣や独特の発音や発声が、それらの音が無い国(日本におけるRやThやV等)の場合、イギリス人もついつい自分たちのクセをRの付いた日本語にそのまま使うので日本人には変な言葉(単語)に聞えてしまう事になる。

少林寺拳法用語は難しい。大車輪、足刀蹴、両手寄抜、等も発音が難しい名称だが、廻蹴三方受段蹴返などは日本人でも舌を噛みそうになるから外国人に発音させる事は至難の業である。

我々日本人にとって比較的発音が容易な国の言葉はイタリア語、スペイン語。両方とも親戚の様な言葉だがローマ字読みでかなり近い発音になる事もあり、イギリス人がそれらを発音する時より上手だと聞いた事がある。勿論これとて個人差はあるので一概に決め付けは出来ないが、ローマ字表記のものを読む場合にどうしても彼等は英語のクセが出るようだ。

日本人が中国語を読む場合と似ている、漢字で表される名前でも胡錦涛氏をコキントウと読んでフーチンタオとは中々読めないし北京でもペキンと読みベージンと読む人は少ないのと同じ現象ではなかろうか。

日本人だけが英語の発音が難しいと言うわけではない。と言う事を知っていれば少々問題があるアクセントでもそれ程気にする事は無いと思いますが、いかがでしょう。

0 件のコメント:

コメントを投稿