2008/05/07

コンジェスチョン チャージ

ロンドンの車環境は酷く、東京やパリなどと言った大都市と同じ様な問題点を抱えている。先ず渋滞は日常茶飯事いつ何処ででも発生する。

これにより中心地のシティやウエストエンドでは空気も非常に汚れている。日本と異なり夏の平均気温が30℃を超える日が少ない事もあり、日本が1970年代初頭に経験した光化学スモッグの発生も遅れた!と言うより、ほとんど発生しないため対策事態が遅れることになった。環境対策といえば無鉛ガソリン(unleaded petrol)の販売も遅れ、一般的に広まるには90年代中頃まで待たねばならなかった。

そんな環境ではあったが自分が来た当初のロンドンでは車の数も今と比べれば圧倒的に少なく、渋滞などもほとんど経験しなかったので環境破壊に対する認識は、日本に比べれば低かった事は紛れも無い事実である。しかしながらいくら夏の気温が日本に比べて低くとも車の数が増え、慢性的に市内のどこかで渋滞が頻発するようになると空気の汚れ具合には気づかされるようになってきた。

そんな事情があり道路整備が渋滞解消の重点目標であったが、5年ほど前のロンドン市長選挙で労働党(中でも左派)の急先鋒だった人物リビングストンが市長に選ばれるや、道路の整備や拡張を凍結してしまった。変わりに市長が持ち出したのがCongestion Charge(渋滞税)と言うやつだ。ロンドン中心部に乗り入れる車はすべてとられることになった。自分も二度これに引っ掛かった事がある。まさか通過した部分がこの区域に含まれて居るとは思わず何気なく通り過ぎてしまった。数日後に請求書(ペナルティ)が送られてきてアッと気付いたがもう遅い。仕方なくペナルティ(罰金)を支払ったのだ。

今年からこの範囲が広くなった。ロンドン市は渋滞が減った!と主張し範囲をより広く制定してしまった。これが成功したかどうかは別としても同じような名目で税金を取り始めた都市はデンマークやその他の国にも出始めている。何処の国や町も税源は確保したいので、この新種の税金には各国の主要都市からも見学が多いと聞いた。始めは1日£5(約1,100円)だったチャージが今では£8(約1,700円)もするようになり気が付けばすぐに£10(2,200円)と言う道をたどる事など用意に想像できる。財源など一度出来上がってしまえば何処の政治家も決して手放さない事であろう。丁度日本の道路特定財源の様に。

ましてや近年は環境問題が益々強くなってきている。施政者にとって渋滞税は実に都合の良い(言い訳のしやすい)租税である。東京あたりももしかして石原都知事も狙っているのかな?政治家としての信条はリビングストン氏は石原氏とは対極にあると思うのだが。それでも2016年東京オリンピック招致を目指す東京都にとっては新しい税収確保は大いに魅力的であろう。

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