2007/08/24

夏季合宿2007

今年も英国連盟の夏季合宿が無事終わった。
年間スケジュールの重要なイベントの一つが夏季合宿である。

思えばこの地で少林寺拳法を教え始めたかなり早い時期から夏季合宿を続けている。
確か1976年の夏から毎年サマーキャンプと称して夏季合宿をやっているはずだ。

当初は20名ほどの拳士が自分が教えていたロンドンとレッドヒル、そして吉田支部長のボーンマスの3支部から参加して始めた。その記念すべき第1回のサマーキャンプのゲスト指導員は現財団法人日本少林寺拳法連盟新井会長その人である。

丁度本部を降りられた時で3ヶ月間ほどヨーロッパ各地を回られている時で我々の夏季合宿と英国滞在がタイミング良く重なった。新井先生にそのことを話すと快く参加して下さった。当然その時の合宿は大いに盛り上がったことは言うまでもない。

合宿場所はRedhillと言うロンドンから南に車で1時間ほどかかる場所で、滞在先は拳士の個人宅である。大きなプール付の家であったが朝食と夕食は自分達で作り、昼食は毎日(2日間)フィッシュ&チップスを買ってきた。それでも仲間と一緒に食べるフィッシュ&チップスがやたら美味かったことを昨日のように思い出してしまう。若いと云う事はそれだけで何ものにも代えがたく素晴らしいと思うのは、この様な簡単な食事さえも一緒に食べる気の合った仲間達との記憶が鮮明に思い出されるからではないだろうか。

練習場所は近くのラグビー グラウンド、朝9時から始まって昼までグラウンドを往復の移動突や蹴、そして大声を出して読む道訓。何しろ100メートル以上離れた相手に聞こえるように道訓を読む訳だが少々大声を出しても簡単には聞こえない。勢い怒鳴るような読み方になるが幸い我々以外誰も居なかったので続けられた。合宿2日目には皆声はかすれ声、足はまともに歩く事が出来ないほどの筋肉痛であった。

合宿から帰った週の練習では皆合宿での成果を参加しなかった拳士達に話していたようである。そんな合宿だったが不思議に毎年参加者は増え続け、数年後にはドーバー海峡沿いにあるリトルハンプトンと言う小さな港町の民宿(B&B)を3,4軒借り切って続けるようになっていた。

        

当時の合宿は2泊3日、禁煙禁酒、朝6時起床、海岸沿いを5キロくらいジョギングして海に向かい道訓を読み鎮魂行を行うというもので、後は基本突、蹴である。

3日間の練習には千本蹴もメニューに含まれていた。今から考えれば馬鹿げた練習に思われるかも知れないが20代の自分や吉田支部長にとって熟練したと言えるほどの技が有る訳ではなく、体力勝負だけが唯一英国人拳士達に何とか指導者として受け入れられる手段だったのだと今にして思う。

合宿の最後には支部対抗の乱捕り大会が催され、体力的にかなり疲れているはずの拳士たちであったが皆が自分たちの支部の拳士を応援した。そして来年の再会を誓って帰路に着くのが毎年の合宿の風景だった。

近年は大学拳法部の数が多くなった為、学生合宿を春2月末、一般の拳士を対象としたサマーキャンプを夏8月末と分けて行うようになった。そんな中でも毎年の合宿参加者数は150名くらいが参加する一大行事になっている。

今年は6月のヨーロッパ大会と国際合宿、11月日本での60周年記念大会に参加するなどという事情が重なったため90名と例年に無く少ない参加であった。しかしこの合宿を楽しみにしている拳士達にとっては我々指導する側も全力で当たらねばならない。今一度合宿の原点に立ち返って毎年の合宿に心新たにして指導にあたりたいと思っている。

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