2014/08/15

英国少林寺拳法連盟40周年について思う (1)

今年は私がこの地ロンドンに少林寺拳法を紹介して40年になる。一口に40周年とは言え長くも有り、又振り返れば短くも感じられる。同時に良く続けてこられたものだと自分でも思う。当たり前の事ではあるが、ここに至るまでの自分や周りには色々な出来事があった。 40周年を期にこれまでの経緯を振り返ってみる事にした。

今から50年程前、高校生だった時に少林寺拳法との出会いがあった。同級生が始めていた事がきっかけで、彼が見せてくれた1冊の本『秘伝少林寺拳法』が少林寺拳法に入門するきっかけだった。

その本を借りて一日で読み終えた、後にも先にもこれ程真剣に短時間で読み終えた本の記憶は他にない、かなりのインパクトが開祖の本にはあった事になる。この本がきっかけで少林寺拳法に入門した訳であるが、当時は入門に当たっては自分がやりたいから入門したいと言うだけでは許されず、誰かメンバー拳士の紹介が必要だった。

この様に入門一つをとっても現在の基準からすれば随分と厳しい規定があった。にもかかわらず自分と同時に入門式に臨んだ者は20名を超えていた。ひと月の入門者が20名を超えた事は度々記憶しているが今から思えば隔世の時代であったと言える。

当時はまだ名古屋に道院が2か所しかなかった事も大きな要因だったと思う。少林寺拳法が最初に拡大期を迎えた時期で、その後の発展には目を見張るものがあった。 多くの道場が次々に活動を始め、自分も何時か少林寺拳法を指導できるようになりたいと思うようになっていた。

その様な環境の中で学生時代の一時期、愛知県内のある道場を先生の代行として任され指導する経験を得た。 今にして思えば元気なだけが取柄で未熟な指導者だったと思う。しかしこの経験がやがて海外で少林寺拳法の指導者を夢見る大きなきっかけとなった事は事実である。

大学を卒業後3年程働いてはいたが少林寺拳法との繋がりは切れなかった。

1974年の1月、25歳の私はロンドンに向かって旅に出た。横浜から船で当時はソ連のナホトカに向かった、そこからモスクワまで汽車の旅である。ロンドンへ着くのに10日以上も掛かったが、当時の貧乏旅行者の多くは同じルートで多くの若者達がヨーロッパにやってきた。

私にとってロンドンは全くの未開の地であった。『少林寺拳法の指導者になる』と言っても全くあてがある訳では無い。言葉は全く通じなかったが、しばらくはこの地の事を知ろうと毎日歩き回っていた。

ある日、空手の道場に顔を出した時に少林寺拳法を教えている日本人が居ると耳にした。会って話を聞きたいと道場を尋ねたが残念ながら会う事は出来なかった。何度か訪ねたがすでに帰国したらしいとの事であった。おそらく短期の滞在者で学生だったのであろう、この様な拳士がロンドン以外にも居た事は後に分かった。

2 件のコメント:

  1. 水野さんのお久しぶりです。
    40周年本当におめでとうございます。
    此処で云われる40周年は単なる40周年ではなく水野さんが、英国の少林寺拳法連盟の沿革を創ってこられた40年で、誰でもが出来るものでは、決して無いと思っております。
    どうぞこれからも、後々に続く世界の少林寺拳法の多くの拳士の方たちの為にご尽力される事を祈念致しております。合掌
             高木隆男

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  2. 高木君へ

    投稿有難うございました。

    ロンドンで支部を発足させる時に、駆け付けてくれた師匠はじめ高木君や拳士の皆さんの事は片時も忘れた事はありません。あの時は君が他の拳士より先にロンドンに到着して、ケンジントン・ガーデンで入門式での演武の練習をした事を思い出します。

    あれから40年経った事が今でも夢の様です。この40周年に当っての回想は毎週金曜日、5回に分けてうかんだままを書くつもりです。

    これまでどの様な事がロンドンであったのか、そしてこれから将来に向かってどの様に少林寺拳法を伝えて行くのか、私の思いを出来る限り正直に書いてみたいと思います。

    過去の40年の歴史がBSKFのWebページで見られます。BSKFのFacebookにはこれまでの多くの写真が紹介されて居ますので、君の写真も出ているかもしれません。Bskfに関わってきた人を歴史を追って紹介しています。

    今後も見守って下さい。 結手

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