2017/05/11

素晴らしいIKAスペインの大会と講習会

ゴールデン・ウィーク真只中の4月の29日、30日の二日間スペインはバスク地方にあるベアサインと言う街で2017年度のIKA大会と国際講習会が催された。
昨年度のチェコから引き続き、今回のIKA大会にもヨーロッパ各地のIKA加盟国や日本からも9名の参加があり非常に盛大な催しとなった。

ベアサインと言う所は日本では馴染みの薄い場所であるにもかかわらず、この様に日本からも応援に駆け付けてくれる指導者や拳士が居る事に、主催するリーダーや拳士達の喜びは、我々にもひしひしと伝わってくるものが有った。

海外から高段者の先生達が参加してくれた事に主催する指導者が喜んでくれる事は過去に幾度も経験して理解していたが、今回のベアサインをあげての歓迎は指導する側の我々にも色々な驚きと新しい発見が有った。この様な経験は参加した拳士のみならず、IKA指導者にとっても非常に大切な経験値となる事は間違いないと思われる。

前回のベアサインは25年程前に訪れていて、当時はWSKO指導員、理事としての訪問だった。その当時から一所懸命に少林寺拳法の普及に努めていたバストス支部長が私に自身の道場を見せ、少林寺拳法の普及を熱く語っていた事を記憶している。海外の指導者には珍しく早くから専有道場をもって拳法の普及に努めていた姿を思い出していた。

あれから年月が過ぎ、我々は共にWSKOとは異なった組織で拳法を指導する立場になった。海外から多くのIKA指導者や拳士の参加に加え、彼の支部が35周年を記念することも重なり、大いに充実した催しとなった。指導者である我々が一番に感じた事は、拳士の年齢バランスが非常に良い事だった。大会には年少者から年配の拳士まで幅広く参加しており、彼らの運営の素晴らしさを日本から参加した指導者のみならずヨーロッパの指導者達も実感したと思う。


今回の大会の中で地元新聞社(リンク先)TVメディアの取材も有った。私もTVでのインタビューを受けた。永らく日本からの指導も受けられなかった彼らが、ここまで少林寺拳法を技術のみならず、教え(哲学)においてもしっかりと伝えていた事を評価したいと思う。大人から子供の拳士に至るまで幅広い年齢層に受け入れられる為には、しっかりとした哲学が無ければ続けて来られなかったであろう。



満席の観客からも惜しみない声援が送られていた事は大変印象的であった。指導者の信念は大会の運営にも見る事が出来た。会場の正面には開祖宗道臣の写真が飾られ、彼らの創始者に対する敬意の程が伝わってきた。どこの講習会や大会に行っても同様な光景は共通した思いである。今では日本の方がこの様な行動は少ないのではないかと感じる程である。


大会は無事終了して、講習会も大変熱心な取り組み方である。私は有段者の2段以上を指導する機会を得たが、痛い技が連続する練習にも尻込みする事もなく皆必死の形相で休憩する拳士は一人も居なかった。指導する側のこちらが気合を入れられて居る様なもので、ついつい指導にも熱が入って練習時間はあっと言う間に過ぎて行った。この様な経験は自分達が少林寺拳法を始めた当初の指導者講習会を思い起こさせる様で懐かしくも嬉しい時間であった。

バルセロナ市庁舎
2日間の日程も無事終了して、我々は次の都市バルセロナに向かった。日本から今回のIKA大会に参加していた日本護身拳法連盟の吉永代表一行は、バルセロナ市と姉妹都市関係にある神戸市から『神戸市を代表して表敬訪問し、民間交流の絆を深める』と言う重大なミッションも担っていた。来年が姉妹都市提携35周年に当たると言う事で、我々の訪問は民間交流(社会貢献)と言う拳法の理念にも叶うとの思いもあり、IKAもその一翼を担うことが出来嬉しかった。
バルセロナ市を表敬訪問

拳法と言う共通の理念の下、IKAはこれからも宗 道臣の掲げた『理想境建設』を忘れる事無く一歩一歩前進して行く所存である。バルセロナ市庁舎を訪問する前に日本総領事からもお招きがあった。IKAの由来を聞かれ、拳法ファミリーとしてBSKFも日本護身拳法も同じ教えの下、協力して社会貢献できる人材の育成の為皆が努力している事を説明した。総領事からは『これからも民間交流でより一層盛り上げて頂きたい』との言葉を頂いた。

我々IKAに託された役割は益々大きくなってきた様に感じる。拳法ファミリーとして恥ずかしくない様今後とも頑張っていきたい。

在バルセロナ日本総領事と

4 件のコメント:

  1. 上段 突き 男2017/05/13 16:52:00


    こんにちは ブログを見させていただきました。
    長い間、ひたすら少林寺拳法を続けられたことに敬意を表します。

    また今回スペインで開催された大会が盛大に催されたことにも敬意を表します。
    機会があればこうして発信していただければ拳法修練者としてはとても興味深いです。

    文中の新聞社のリンクをクリックすると実に沢山の画像が出てきて素晴らしい大会であったことがわかります。
    もう少し分かりやすいところにあればと老婆心ですが思いました。
    いずれにせよ陰から応援しているたくさんの者がいることをお伝えします。

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  2. 上段突き男さん
    投稿有難うございました。

    永らくブログも更新できませんでしたが、この度のスペインはバスク地方にあるベアサインと言う小さな街で、この様に盛大な大会や講習会が出来た事が大変強く印象に残りましたので紹介したわけです。

    殆どの日本の人々にはバスク地方と言っても、印象はさほど強くは無いと思います。永年独立紛争を続けてきた歴史は、丁度英国における北アイルランドと同様な状況だったと思います。

    その様な日本人にもあまり馴染みの無い場所で、少林寺拳法が日本の武道として唯一成功している例では無いでしょうか。町中の子供達がすべて集まっているのでは?と思わせる程、沢山の子供達や成人の拳士も嬉々として大会をエンジョイしている様子が強く印象に残りました。

    又講習会では久しぶりに受ける日本から訪れた指導者に、指導を受ける嬉しさが我々にも十分に伝わってきて、文中でも述べた様に自分達が久しく忘れていた、初期の少林寺拳法の指導者講習会を思い起こさせる素晴らしい講習会でした。

    文中の現地メディアが紹介した記事は『地元新聞社(リンク先)』をクリックして頂ければ、より多くの写真が見られると思います。少しでも当日の大会会場の雰囲気が伝われば幸いです。

    今回はIKAの正式な大会として、昨年のチェコはカロリーバレーに引き続いてベアサインで催されたわけです。ヨーロッパのIKA加盟国からも拳士や指導者が応援に駆け付けて、互いに再開を喜んで居る光景も目にしました。

    大会後私達のグループはバルセロナに移動し、日本の護身拳法連盟の代表が神戸市の親書を携えて、姉妹都市であるバルセロナ市庁舎を表敬訪問する機会にも恵まれました。この様な事は小さな出来事かも知れませんが、拳法ファミリーとして創始者の哲学を実践する機会として嬉しく思いました。

    又の投稿を期待しております。

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  3. 講習会お疲れ様でした。投稿文を読ませていただいた中で、開祖の写真が会場に飾ってあると書いてありました。驚いています、少林寺拳法を離れたら、多くの拳士は宗道臣師の教えを無視して自らが創業者として、道場を開いて(滋賀県にある団体)いるのが多くあります。

    その様な中で多くの拳士は、宗道臣の著書を読み、感動して少林寺拳法に入門したと聞いています。WSKOから離脱しても、なお教えと技術を継承しようとする姿に嬉しく思います。

    水野先生をはじめ、IKA(国際拳法協会)加盟の各国の道場にも宗道臣師の写真が飾られてると聞いています。
    私達も哲学と技術をイデオロギーなどに惑わされることなく守っていきます!

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  4. 匿名さん 投稿有難うございました。

    4月末、スペインはバスク地方にあるベイサインで催されたIKAの大会並びに講習会は昨年度のチェコに引き続き大変充実したものでした。私達日本人から見ても彼らの取り組み方はチェコ、スペインともに大きな成果を残したとお思います。

    文中でも紹介しましたが、中程にある動画を見て頂ければ最後の方に開祖宗道臣の写真が出てきます。これは地元のTV局が取り上げたものですが、開祖の写真が会場正面に設置され多くの観客が見守る中、参加者全員が楽しめる素晴らしい大会でした。

    一つ匿名さんにもご理解頂きたい事は、我々IKAの支部長や拳士は『少林寺拳法』が嫌いで辞めた訳ではありません。ですから開祖宗道臣の教え、技術や哲学を継承して居る事は至極当然の事なのです。

    日本国内では難しい事だとは思いますが、BSKFにはWSKO支部傘下の拳士からも講習会等に参加させて欲しいとリクエストがあります。その様な場合には拳士の所属する支部長の許可が有れば練習には参加する事が可能です。

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