2011/07/10

洗脳される構造とは何か?

東日本大震災から3ヶ月が過ぎた、現在も多くの人達が苦しみに耐え避難所暮らしを送っている事は各種の報道からも伝えられている。そして何よりも悲痛な状況は福島第一原発の復旧に携わる人達の苦労であると思う。これまで信じられてきた原発の安全神話は、今回の地震と津波の後に起きた重大な事故で跡形も無く吹き飛んでしまった。

そしてその後の状況を見てさらに愕然とさせられる事は、相変わらず日本国内の報道姿勢がそれ以前と全く変っていない事である。国民に真実の情報を知らせるはずのマスメディアは、まるで政府と東京電力のプロパガンダを垂れ流す為の広告業者の如く、相も変わらずに偏った報道を続けている姿勢がどうしても理解できない。この様な報道姿勢は第二次世界大戦前とほとんど変っていないと言われても仕方があるまい。中国の報道を見て一党独裁の中国が民主化を押さえ込む為の報道規制を笑えるであろうか、形を変えた情報コントロールが堂々と行われている日本を、真の先進国と見ている国は少ないはずである。

世界中のメディアが日本記者クラブでの政府発表と、原子力安全保安員の説明を完全に無視(ボイコット)した事からも事の重大さが見てとれる。もちろんこの様な真実は日本国内では知らされる事もない、政府や東電の御用学者が都合の悪い事は公表もせず、福島で現実に起きている深刻な人権を無視した様な報道姿勢には、もともとが政府の御用放送機関であるNHKは別としても、民放各局も東電や関連する大企業からの広告収入削減を恐れて、真実から目を逸らせているとしか言いようの無い腰抜け振りである。

少しくらいは本気になって日本国民に真実の姿を伝える気概のある報道機関はないだろうかと調べていたら、インターネットのYou tubeに色々と出ているではないか。もちろんこの様な情報には半分以上がどうにもならない屑情報が含まれている事実も否定しない。しかしながら100歩譲って、それらの中にいかに不適切で嘘の情報があふれかえって居たとしても、現状の日本国内で流されている国民総洗脳番組やニュースよりも、余程真実を伝える情報が含まれている事も又事実であろう。そんな玉石混合の情報から真の情報を見つけて、正しく判断することが出来るかどうかに、将来の発展が問われている様な感じがしてならない。

日本に蔓延する洗脳を目的とした代表的な事例は、『原発が無ければ夏の電力不足は乗り切れない!その為には15%の節電が必要である』『原発が無ければ発電コストが高くなり日本の産業が衰退する』(この嘘は今回の原発事故で嫌というほど思い知らされたにも関わらず)原発事故が起きた時の補償や賠償のコストまで計算に入れるまでも無く、使用済みの核燃料やプルトニウム処理に掛かるコスト(貯蔵、加工)等を考えれば確実にコストは火力や水力発電等の非ではない事は子供でも理解できる。

福島原発事故の後、ドイツのメルケル首相はそれまでの原発推進の政策をいち早く転換して原発の全廃を発表した。本来ならば日本の総理大臣が最初に行動を起こさねばならないはずである、その様な発表や言動があれば、世界が日本の政治家を見る目も少しは変わって来たはずである。残念ながら自身の任命した閣僚からも信頼されていない総理大臣が、日本国民はおろか海外のリーダーから信頼されるはずが無い事は誰の目にも明らかである。

ウイキーリークスのアサンジ氏は国の機密情報(国にとっては表に出したくない不都合な情報)を暴露してアメリカ等は必死に彼を陥れようとしているが、多くの真実を知りたい人々は確実に彼を支持している。時代は今、国や権力者が不都合な情報を隠そうとすればするほど、内部告発も含め情報の流通スピードや妨害が困難な時代にきている。その様な事実に目を向けたくない一部の権力者や、都合の良い情報のみを入れようとする取り巻きで固めたリーダーが、次々と国を追われたり失脚している事実は、何もチュニジアやエジプトに止まらず現在ではバーレン、サイジアラビアからシリアにまで広がりを見せている。

その様な状況が生まれる為に情報を伝達する事を可能にしたツールが、インターネットである事は誰も否定しないであろう。この様な時代で有ればこそ、我々もそれらを上手く使いこなすと共に、正確な情報をより多くの人達と共有する事によって真に豊かで安心できる社会を手に入れる事が出来るのではないかと想像している。

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