2011/05/27

マーシャルエイド Unite for Japan 2011

5月22日ロンドン西部のブレントフォード スポーツセンターにおいてマーシャルエイドが催された。
参加団体は我々BSKFをはじめ、空手が和道国際空手道連盟と紫空会空手道連盟の2団体、英国合気道連盟、英国弓道協会、無名士剣道道場(剣道連盟、居合道、丈道含む)が参加して、東日本大震災の被災者に日本赤十字社を通じて義援金を贈る事を目的に開催された。

地震と津波の被害、引き続いて起こった原発事故によるニュース報道は今も世界中の耳目を集めている。何かしなければと言う気持ちは我々武道関係者のみならず、誰もが抱く正直な感情であるように思う。日頃の教えの中心的なものの一つに、『半ばはわが身の幸せを、半ばは他人の幸せを!』と言う言葉を重く受け止めてきた拳士達にあっては、当然の帰結としてこの様なときにこそ、率先して何かしなければならないと感じた者も少なくない。

話は少し古いが以前にも同様のイベント(マーシャルエイド)を行った事がある。1986年におきた東アフリカはエチオピアでの食糧危機での時、同様に世界中のメディアは揃ってその状況を報道した。毎日映し出される映像には、飢餓で苦しむ何万人にも及ぶ難民や子供達の状況が生々しく伝えられた。同時に世界各地で色々な催しが企画され、ロンドンやニューヨークでは音楽家によるバンドエイドが催され、パリやミラノでは服飾デザイナー達によるファッションエイドが行われたりした。

当時我々武道団体も同様に、我々に何が出来るかと話し合った結果、異なった日本武道団体の協賛によるマーシャルエイドの開催であった。その時はどの様に基金を集めてよいのか、又集めたお金を何所へ贈るのかと言った初歩的な課題も浮き彫りになった。問題提起は誰にでも比較的簡単に出来る、しかしながら実際の行動となると経験した者でない限り、判断が難しい課題が出てくる事をその時のマーシャルエイドで学ぶ事が出来た。

86年と言えば私が最初にアフリカと関わりを持った年である。それ以後少林寺拳法の指導で何度も訪れる事になろうとは当時は想像も出来なかった。現地に飛び、エチオピアでの現状をつぶさに見て来た上で、その状況を他の武道関係者に説明した。基金の送り先は英国セーブザチルドレンと決まり、それが実行に移されたのは87年と88年であった。

その時の経験は今回のマーシャルエイド2011で大いに訳に立った。
日本の武道を指導している人達は、日本を自分達の武道文化を育んだ国として、一般の人達よりも今回の大震災をより身近に感じていると思う。そしてそれを習う人達が、何とかして手を差し伸べようとする事も自然の感情ではないだろうか。

マーシャルエイドはつつがなく終り、多くの観客や参加者に少なからず好印象を持って頂けたのではないかと思う。普段全く武道と接点の無い観客にも、武道の持つ本来の姿の一面を紹介出来、それらの人達に日本武道に対する理解と興味を与えられたとしたら、今回のマーシャルエイドは義援金を募る目的以外にも良い効果が得られた様に思う。

マーシャルエイド終了後、参加した武道団体の責任者から『この様な機会に声を掛けてもらい感謝している』と言ったコメントを頂いた。この企画が成功したのだと言う満足感と同時に、開祖宗道臣の教えは時間と文化(国)を超越して普遍的に人々を結び付ける哲学である事が証明された様に感じている。

BSKFは名称において現在少林寺拳法とは名乗れない団体になったが、教えは教えとして拳士一人一人に受け継がれて行く事で、宗道臣の説いた『理想境建設』に一歩でも近づく事が出来るのではないかと信じている。

最後に今回のマーシャルエイド『Unite for Japan 2011』に賛同、協力して頂いた関係者の皆様に心より感謝とお礼を申し上げたいと思います。

4 件のコメント:

  1. マーシャルエイド2011盛況のうちに終えたようですね!私も嬉しい気持ちでいっぱいです。
    義援金は被災地には本当に必要です、でももっと必要なのは(なにくそ負けるか!)と言う被災地の人たちと(負けないで!応援します)と言う日本の国民と世界の人たちの気持ちだと思います。小さいことだけどできることを一歩一歩確実に進めて応援するです。
    BSKFの皆様をはじめ英国の武道家の気持ちを発信できたのではないでしょうか。
    英国各地でこの様なデモンストレーションを続けていくことを切に望みます。

    周りの雑音に惑わされず(何でしょうね)先生の気持ちを前面に押し出してお互いに頑張りましょう。

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  2. マーシャルエイド2011多くの人たちが参加してくださったようで本当に良かったです。

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  3. 前文よりの続きです。
    被災者にとっては義援金は本当に必要なもので、感謝・感謝の一言です。
    もっと大切なのは金額にかかわらず(私たちは応援をします・頑張りましょう!)の気持ちと、被災者たちの(私達はここで立ち止まるわけにはいけません、必ず立ち直ります!)と言う絶対に負けない気持ちだと思います。

    BSKFそして英国の各武道団体の皆様の行動は英国のみならず世界にそして日本にも大きな行動を示したことになります。

    阪神大震災の復興も15年以上もかかっても完璧とは言えません。東日本大震災の復興は原子力の汚染問題もあり十数年かかると思われますので、私達はもちろんですが皆様の暖かい応援を希望します。大変難しいようですけどマーシャルエイドの継続と先生とBSKF皆様のご活躍を祈願しております。

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  4. Yoさんへ

    返信が遅れ申し訳ありませんでした。
    昨日フォートベンチュラから戻りました。

    暖かいコメントを頂き感謝しております。
    今後ともあらゆる機会を通して震災被災者への支援を訴え続けて行きたいと考えております。

    ともすると大震災のニュースも一過性のトピックスとして、人々の関心も薄らいでいく事でしょう、ご指摘のように被災者が受けた
    大きなショックは、経済支援のみならず心の傷を含めて、長期間の支援が必要な事は阪神淡路大震災の例からもよく分かります。

    微力では有りますが何が出来るか、よく考えて協力の輪を広げる努力をしていきたいと思います。

    又コメントを宜しくお願いします。

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