2011/04/08

余りに悲惨な東日本大震災

先ず始めに、この度の東日本大震災で被災されました皆様に心からお見舞い申し上げます。

永らくご無沙汰してしまいました。昨年から今年に掛け、私もBSKFにも大きな変化が有った為、ここへの投稿が出来ませんでした。今回久しぶりに投稿しなければと思ったのは、先月11日の日本で起きた東北地方における巨大地震と大津波を、繰り返しニュースで見せられた事も大きな心理的動機でした。

ニュースに出た大学の教授が、『千年に一度位の地震』との説に、なるほどと思いつつ、それだけではかたずけられない思いが強く残ったからです。被害に会われた方々には掛ける言葉も簡単には見つかりません。この様な現実の前には慰めや同情が何の力も無い事を痛感しています。

11日の地震発生以来ニュース専門番組のBBCワールドやユーロニュースは、24時間このニュース映像を流し続けました。つい先日までリビア情勢や中東諸国の民主化デモがそのほとんどでしたから、全く異なったニュースに人々の関心が集まったのかも知れません。

繰り返し映し出される地震で揺れる建物と、津波に逃げ惑う人や車、建物や船舶、家やバスまでも次々に飲み込んでゆく大津波。ホラーとしか言い様の無い映像はCGではなく本物の映像だけに、見る人の心理的影響には計り知れないものを感じずにはおられません。大自然の力を前には人類の英知や、そこから作り出されるテクノロジー等、本当に脆い物だと思い知らされます。

世界中で繰り返される戦争や環境破壊、一方では思いもよらぬ大災害で大切な命が奪われてゆく事に、我々は何を感じ取るのでしょうか。繰り返される戦争や環境破壊は有る意味、人類の作り出したエゴの象徴かも知れません。今回の東日本を襲った大地震と津波、それにより引き起こされた原発でのトラブルも有る意味では人災ではないかと言う気がします。

チェルノーブル原発事故後も、『日本の原発は問題が無い!』と安全神話を繰り返した東京電力や、原発推進を奨励してきた政治家には何らかの責任は有るのではと思います。勿論彼等だけに責任を押し付ける訳にはいかない事も事実でしょう。豊かさと快適さを追求してきたのは日本人ばかりでなく、先進国途上国を含め全ての人類がそうだからです。その様な事を思いながら肉親を、そして大切な友人を失った人々の苦しみを考えると、思わず感情のコントロールが出来なくなってしまいます。

世界のメディアがこれ程日本を集中的に伝えた事は、37年間ロンドンに住んで居ても過去に経験がありません。日本に対しては時には厳しい論調を寄せる欧米のメディアも、今回は総じて同情的な言葉が目に付きます、この様な悲劇の状態に有っても秩序正しい日本人の姿を好意的に紹介する等、過去に例を見ない報道ぶりです。イギリスの大手メディアが漢字で掲げた『がんばれ日本、がんばれ東北』等のキャンペーンは、今回の大災害が彼らに与えた心理的影響を見る思いがします。同時に経済的にも深い結び付きを持つ英国と日本は、震災からの影響(不況)が日本ばかり出なく世界中に広まる事を心配している人も多い事でしょう。

世界中から寄せられた義援金が130カ国を超えたと、NHKニュースが報じていましたが、アフリカの最貧国を含め、普段感情的なもつれがある北朝鮮からも義援金が届いたとのニュースには、この大災害が与えたショックは人種や国家を超えた、人類の運命共同体としての意識に世界中が気付いたのかも知れません、そう願いたいものです。

4 件のコメント:

  1. 何時も見ています。先生のビデオを拝見して
    ファンになりました。
    時間があればブログ更新して下されば有りがたいです。彼の地で開祖の教えを広めるのは大変だと
    思います。これからも御身大切に。
    昔の卍に戻らないかな。古い拳士より。

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  2. 匿名さん 投稿有難う御座いました。
    未曽有の東日本大震災、この映像をニュースで見た時言葉が出ませんでした。
    私も英国連盟もこの一年色々有りました、しかしながらこの度の大震災を前にした時、我々の思いや個々の利害など、震災被災者の痛みに比べれば単なるエゴに過ぎません。
    その様な思いに至った結果、又ブログを書く決意を新たに致しました。
    震災の被災者に対して今の自分に何が出来るかと考えております、それこそがこれまで開祖の思い(理想境建設)を信じて続けてきた者の責務と思うからです。
    暖かなお言葉痛み入ります、今後とも投稿してください、勿論批判もご意見として受け止めたいと思います。

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  3. 合掌
    久しぶりの先生のブログ拝見し、なぜだかほっとしています。いま日本は国難に陥っています。想定外のことばかりが次々と出てきてそれに対する判断と決断が国民には不快でなりません!国のトップの対応の遅さは非現実的です。3現主義のわかる人ならばもっとやらなければならないことを素早くやっていると思います。今現場にいる方々のニーズをしっかり聞き入れて行動をしてもらいたいと思います。自分自身も動くことができずやきもきしています。復興までにはまだまだ時間がかかりそうです。長い目で自分にできることをしていきます。大府のかなたより

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  4. 匿名さんへ
    投稿有難う御座いました、この度の東日本大震災は世界中が驚きました。
    私も同様に何か出来る事をして、少しでも震災被災者の方々の力になりたいと考えました。

    先月4月始めに英国の武道団体に協力を仰ぎ、我々のBSKFを含め7つの団体から快く協力して頂ける事になり、明日22日にマーシャルエイドUnite for Japanを開催いたします。

    1人でも多くの人達に日本武道の素晴らしさを知ってもらい、そして震災被災者への義援金が少しでも多く集まればと願っているところです。

    以前も同様のマーシャルエイドを1986年と87年にやったことがあります。
    その時は東アフリカのエチオピアに於ける飢餓で難民が発生し、多くの子供達が亡くなりました。その時も音楽家はバンドエイドをやり、ファッションデザイナー達はファッションエイドをして基金を募りました。
    その時の経験が今回は祖国日本の為に何かしなければと言う気持ちとなり、他の日本武道を指導する人達への呼びかけとなったわけです。私ばかりでなく殆んどの人達が感じた『何とかしたい』と言う気持ちは、特に日本武道を修行する人達にとっては、より一段と強いものがあったのではと思います。
    自分達の修練している武道文化の生まれた国が、未曽有の震災で多くの人が傷ついているのを目の当たりにした時、他のスポーツをする人よりもより一層その様な気持ちが強かったのではと感じました。

    今回のマーシャルエイドに協力を申し出て頂いた方々は、いずれも英国に於けるそれぞれの日本武道の権威者ばかりです。
    明日のマーシャルエイドの結果は又このブログでお知らせしたいと思います。
    又の投稿を期待しています。

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