2010/04/02

007を地で行く世界の諜報組織

今年1月ドバイにおいて、パレスチナの政治組織ハマスの幹部、マブフーフ氏が暗殺されると云うニュースがあった。

このところこれに関連したBBCで流されるニュースは、英国政府がイスラエル政府に対して外交関係を絶つべきではないか、と言う論調が目立っている。

理由の最大の根拠とされるものは、ドバイ警察が発表した事件関係者の映像写真(ビデオ)である。繰り返し流されるこれらの映像で犯行に関わったとされる人物が特定され、その中に英国の偽造パスポートを持った人物が6人も居たと発表された事である。他にはフランスやドイツ、アイルランド国籍のパスポート偽造もあったと公表された。

この事件が英国とイスラエルとの外交関係にまで発展して、イスラエルの外交官を退去させるかどうかの議論が沸騰していると言う訳である。

おそらく他の国、フランスやドイツでも同様の問題として取り扱われている事は容易に想像が付く。
イスラエルはパレスチナのみならず、ほとんどの中東諸国とは外交関係が無い。

と言うより彼ら自身がほとんどのアラブ諸国を敵に回して、常に臨戦態勢を布いている国家である。その結果として世界中にモサドと呼ばれる諜報機関を行き渡らせ、アラブ諸国のみならず世界中からあらゆる情報収集を行っている事は余りにも有名な話である。

情報収集が決して悪いという事ではない。その様な事を言えば英国にもMI5やMI6が存在し、国内と国外の諜報機関を分けて活動しているし、アメリカのCIAや旧ソ連のKGBも目的とするところは同じはずである。

問題があるとすればこのような諜報機関が、時として映画の世界と変らぬ(現実ははるかに陰険であろうが)様な事件を引き起こす事である。

2007年には亡命した旧ソ連国家保安委員会(KGB)の元スパイ、リトビネンコ氏がロンドンで毒殺されると言う事件が公表された。事件の実行犯とされるルゴボイ容疑者の身柄引き渡しをロシア政府が拒否した事で、英国とロシアはお互いの外交官を追放しあう険悪な事態にまで発展した事は、多くの人の記憶にある事と思う。

この様に諜報活動は時として暴走する(国家の命令が有るのかも知れないが)事はKGBやモサドに限った事ではない。日本では国家にこの様な諜報機関が存在した事は戦前の中野学校が有名では有るが、はたして現在この様な国家機関が存在するかどうかは誰も知らない。

日本がこの様な外国の情報機関にとっては、非常に活動しやすい国だと耳にした事が有る。それ等に対抗する組織が無い事と、仮に有ったとしても日本政府が英国やロシアの様な強硬手段に出る事は、到底考えられない事のように思われる。そのような事情がどこの国にも知れ渡っており、情報活動し放題と言う事が現実的要素らしい。見て見ぬふりする事で日本は世界中に敵を作らない政策で良しとするのか、国や企業の機密を外国に好きな様に持っていかれる事をその代償としてあきらめるのかさえも、国民の前に議論さえされた事さえ無い。

日本が特殊な国かどうかは別として、日本の事情などお構い無しで世界は諜報活動を行っている事だけは疑い様も無い事実である。

3 件のコメント:

  1. イスラエルがパレスチナの幹部を暗殺したと、
    インターネットで知りました。この事で日本
    政府がコメントをしたのを見ても聞いたのも
    ないみたいで、この事今、竹島が韓国が占領
    し、最近滑走路の拡張、海洋調査をしてるのを国会でこの事を岡田大臣が追求されて占領と
    発言はなく、この事は1948年位に始まり
    今になってます。中国にも同じような事を
    されてます。鳩山総理大臣夫妻は韓国、中国
    を好きとの発言して、人が良いは総理大臣
    としては困るじゃないですか。政権が変わった
    ので前の政権と違いを見たいですね。

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  2. Ohtori さんいつも投稿有難う御座います。

    国の政治とは国民から選ばれた国会や政府が執り行なうのが普通です。
    政治の本道でもあります。それに引き換え諜報活動はある意味、裏の政治活動かも知れません。ですから全てが表面に出る事はありえません。

    日本が戦後平和憲法を基に、この様な裏工作をせずに表の政治のみで世界と向き合って来た事は称賛されるべき事でしょう。
    そのお蔭で世界に余り日本を敵視する国家は無いと思います(北朝鮮を除いて)。

    しかし、日本以外の国は自国の国益(経済、安全等)を守るためには諜報活動が重要と考えている国もかなり有るようです。 

    これからの日本が安全で住み良い国家として発展していく為には、何が必要か?国民を交えた議論が必要な時代かも知れませんね。 

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  3. ohtori2010/04/06 5:56:00

    水野さん私の書いた文章はわかりずり所があるにかかわらずコメントありがとう御座いました。

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