2010/03/07

日本国民の知る権利さえ遠ざけるように見えるマスコミのスタンス

今は世界の多くの国が不況で喘いでいる。
日本ばかりでなくアメリカもヨーロッパの国々も状況は同じだ。つい先ごろは欧州共同通貨ユーロの下落が目立っている。これの原因は前のギリシャ政府が財政状況を意図的に良く見せて発表してきた事が原因であった。

昨年のドバイショックも覚めやらぬ中、スペインやポルトガルの財政不安が持ち上がり、ギリシャ政府の介入が発覚した後は、ユーロ安が進んだと言う訳である。ここに来てドイツとフランスから資金援助が表明されるに至り、少し状況は落ち着きを見せている。

ギリシャのGDPは日本の10分の一以下である、日本や中国などに比べれば少ない事は言うまでもないが、大騒ぎしているドイツ政府やフランス政府の打ち出した救援策を見て驚いた。両国(ドイツとフランス)が打ち出したギリシャ国債を購入する金額が300億ユーロ、約3兆6000億円。翻って、日本政府が保有するアメリカ国債の残高は、7657億ドル(約70兆円)。日本一国がですよ!。中国がこれより少し多く、8948億ドル(76,5兆円)それ以外の国を合わせると、途方も無い国債を外国に買わせている国はアメリカ以外には無い。

ドイツとフランスの3兆6千億等、日本や中国の米国債の買取に比べればかわいいものではないか。3兆6千億で大騒ぎしていたら、日本の米国債70兆円はどんな表現をすれば良いのであろうか?

中国が米国債の最大の引き受け国になってはいるが、実のところ中国の引き受ける米国債は短期物が圧倒的に多くなっている。日本が長期の米国債を買い続けている事とは実状が異なると言われている。なぜならば、中国はいつでも売れる準備をしながら、買っている事になるからだ。日本が10年ものを買うのとは訳が違う、アメリカの景気が回復しなければこれまでにも有ったようにドルの切り下げで、70兆円が50兆円にも40兆円にも価値が下がらない保障はどこにもない。

事の大小はともかく、世界同時不況の原因は言うまでも無くアメリカが原因である事は誰でも知っている。その原因を作った国が、相変わらず世界中から借金を繰り返す(返す当ても無いのに)精神構造は全く理解できない。それどころかわずか3兆6千億円の支援(しかも2カ国)で大騒ぎする、どちらが正気の沙汰か言われるまでもない。

この様な情報は日本のメディアではほとんど目にした事が無い。ロイター等、海外の報道で時々取り上げられるが、何故日本のマスコミは無視を決め込むのだろうか? 70兆円が帰ってくれば、日本政府がやりたい政策(マニフェスト)は余裕を持って100%可能になる。国民に借金をする(国債を増発)事も必要無くなるではないか。

いくら日本が敗戦国であっても、戦後も65年を過ぎようと言う時代に、相変わらずアメリカ追随(言いなり)の政治では世界中の笑いものになってしまう。日本が溜め込む外貨は、本来日本国民の福祉の為に還元されて当然であるが、どう言う訳かアメリカに相変わらず貢ぐ事をやめられない。

日本が世界中で稼いでいるお金が国内に還元されれば、間違いなく日本は世界一の裕福な国になるはずである。しかるに現実の日本は世界一には程遠い豊かさではないか? 年間に3万人以上もの国民が自殺する事を考えると、相も変わらぬアメリカ追随は国家的犯罪であると言われても自分には反論できない。

世界中に借金をしまくるアメリカの精神構造もおかしいが、それを文句も言わず受け入れる国はもっとおかしい!
その事を積極的に国民に知らせる努力を放棄したマスメディアなぞ、無い方が良いと思うが如何であろう。

4 件のコメント:

  1. はじめまして。Popoluと申します。

    先生のご意見、本当によくわかります。
    日本のマスコミは情報の取り上げ方が偏りすぎている気がします。

    ご高齢の方などにとっては新聞・テレビだけが唯一の情報入手源となる為、そのマスコミが報道を取捨選択してしまうと国民の多くは誤った知識、または情報すら知らなかったという状況になってしまいます。

    ですが、いまはインターネット等の影響により、一方に偏った情報だけではなく、多角的に報道を手に入れる事が出来るようになりました。
    その結果、インターネット世代のマスコミ・テレビ離れが進んでおり、現在大きな問題になっています。

    新聞社についても朝日新聞が100億円超の赤字、毎日新聞、日経新聞なども赤字決算を迎えているようです。
    マスメディアの基本姿勢を抜本的に改めない限り、国民のマスコミ離れはますます加速するかもしれませんね。


    更新を楽しみにしています^^
    先生もお忙しいとは思いますが、お身体に気をつけて頑張ってください。

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  2. Popoluさん投稿有難う御座いました。

    私が不思議に思うのは新聞報道において、各紙が全く同じスタンスで書いている様に感じられる事です。
    1月のコラムにも書きました様に、異なった新聞社なのですから、もっと独自の視点で書ける事も有ると思うのです。 

    英国では高級紙としてはタイムズ、ガーディアン、それにインディペンデントと言う3紙がありますが、それぞれのスタンスはかなり異なっています。 勿論日本のような記者クラブはありませんので、大本営発表の様な記事は難しいと思います。

    これらの高級紙と呼ばれる新聞も発行部数は数十万部で、日本のメジャー新聞とは部数だけで言えば大きな開きがあることも事実です。 しかし発行部数の多さでそれら新聞の価値が決まるとは思えません。

    貴方がご指摘のとおり、日本の新聞社が今後とも,同じ様な報道姿勢を続けていくとすれば、遠からずネット情報に駆逐される日が来るのかもしれませんね。
    又の投稿を期待しております。

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  3. ohtori2010/03/18 8:11:00

    日本の負債をマスコミなど同じ数字(コメント)の報道を各局、各社がだすので日本国民
    が何度も見たり、聞くとそれが本当と思うとおもいます。前の党のなごりが残ってると思いますね。これだけじゃ無く他にもありますよね。

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  4. Ohtoriさん投稿有難う御座いました。

    何所の国の政府でもメディアには自国の事を、良く書いて欲しい気持は同じでしょう。
    しかしながら日本のマスメディア(新聞、TV、雑誌)の、昨今の取り上げ方は先進国の民主主義国家とは思えない様な報道姿勢が目立ちます。

    海外のメディアから批判される前に、日本国内のメディアから国会記者クラブ廃止の議論が出ないのが不思議でなりません。

    情報をリークしたり、国策捜査と呼ばれる事をする警察、検察の官僚は当然のことながら外国でも存在します。しかしその取り上げ方はイギリス等では、日本のそれとは大きく異なります。

    国民の純粋さは美点ではありますが、弱点でもあると思います。
    余りにも純粋過ぎて、事の真実を見抜く前に、流された情報を検証する事も無く、簡単に受け入れてしまう人が多い事からもうかがい知れます。

    海外に生活すると個人個人の価値観の違いを、肌や目の色以上に強く感じます。
    その様な環境が少ない日本と云う国は、平和ではありますが価値観が外国(先進国)に比べ平均的で、情報操作によっては極端な思考移動が簡単に起こり得ます。
    その最たるものが内閣支持率や、格付け機関の発表に上手く乗せられてしまうことからも想像できると思うのですが。

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