2008/03/15

中国の態度、国際基準では普通です

中国産の毒ギョウザ事件は中国の公安当局の『中国国内での混入の可能性は極めて低い』と言う一言で片付けられそうである。この様な態度に日本国内は100%の人達(想像だが)が大いに怒っていることだろう。

以前に投稿頂いた中にも中々進展しない毒ギョウザ事件に言及されていたが、日本人にしてみればどうして中国当局は正直に認めて早く謝罪しないのか? 『中国側が素直に認めて謝罪すれば、日本はこれ以上問題をこじらせないのに』と多くの日本人が思っていることではないかと勝手に想像している。 確かに被害者を出した日本が憤慨する気持ちは十分に分かる。しかし一方で中国にとってはこの問題の解決方法を間違えると、日本一国では済まない事が起こりうる重大事件でもある。

過去にもアメリカやカナダで中国製ペットフードで犬や猫が死んだ事件があった。又子供用のおもちゃにも基準を超える鉛が検出され、輸入が中止された事件も起きている。今回は死亡事故ではないが人の食べ物による毒物混入事件である。なおさら中国当局としては神経質にならざるを得ない。

そして中国は夏にオリンピックを控えている。その直前になった今、中国の食に対する安全が揺らぎ始めるとオリンピックそのものにも影響が出ると言う事だろう。そうなれば国家の威信を掛けて取り組んできたオリンピック事業が失敗になり、国としての面子も落とす事になりかねない。幸いと言うべきか、不幸にと言うべきかは分からないが、中国は共産党による一党独裁体制でこの様な事件が起きた場合でも政府は容易にマスコミをコントロールできる。これは日本やアメリカ等の西側先進国とは大きく事情が異なっている。

そんな中で日本国内は蜂の巣を突いた様な報道ぶりである。勿論一般の中国国民がこの様な日本の報道を見る事は極めて少ないが中国政府にとっては迷惑な話だろう。この様な情報は日本から世界中に発信されてしまう事を中国政府は良く知っているからだ。

そんな訳で中国公安当局が発表した結果は、日本とは180度異なった見解となった。この一例を上げ中国当局の行動を非難する事は簡単である。しかしその事により問題解決が近くなるとは思われない。ここは感情をひとまず抑え冷静に、又科学的に一つ一つ検証していくべきだと思う。

話が少しずれるが、中国以外の国でもこの様な例はいくらでもある。日本人の文化では自分が間違いを犯したら正直に認め先ず謝罪する事が大事な条件だろうと思う。しかしながら外国の文化は日本のそれと同じ国ばかりではない。むしろ異なった文化(習慣)の国の方が多いくらいであろう。現実に間違いを犯したことを認識していても色々と言い訳をしたり、立場が強い場合には決して認めない事もある。この様な態度は日本人には中々馴染めない事ではあるが、現実の世界ではむしろ日本の立場の方が少数派ではないかと思う。

話をギョウザ事件に戻して、では日本はうやむやにして中国の言い分を認めるべきか?それが出来ない事は明白である。問題は決定的な客観的、科学的事実を追求して証明する以外に解決の道は無い。中国が日本に原因を押し付けてきても冷静に対応し、決定的な証拠が挙がればそれを中国当局に示し説明を求めるべきであろう。又同時に世界にもその結果を公表する事も大事な後始末であろう。日本と中国に対する世界の国々の信用度は、現段階では日本の方が遥かに高い事も事実である。何処へ出しても文句が付けようのない客観的証拠が示されれば中国当局も認めざるを得ない。もし万が一に中国が認めなくともそれ以外の国々は日本の言い分を支持すると思うからだ。

ここで厄介な事は、中国が政府によるマスコミのコントロールが容易な事とは逆に、日本のメディアは諸刃の刀である。問題の解決を科学的に立証しようとする時に新聞、週刊誌は言うに及ばずTVニュースやワイドショウ番組まで国民意識を扇動する様な事が日常起きている。英国に長年住んでいても日本のワイドショウ等の様な番組は見た事がない。(知らないだけかも?)アメリカ等ではあることは知っているが、結論をマスメディアが世論を扇動して導き出す事も、逆の意味で中国と同じ様に危険である。感情が先にくると問題解決に繋がらないばかりか、ヒステリックなナショナリズムを引き起こす。これはギョウザ事件以上に日本と中国との関係を悪くさせる事になるはずである。もしこの様な目的で犯人が毒ギョウザを作ったとしたら日本も中国もまんまと犯人に乗せられた事になるのではないか。

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