2017/03/04

日本と海外、文化と習慣の違い

昨今の日本は2020年に東京オリンピックが催されることもあり、数多くの旅行者が日本を訪れる様になってきた。私がロンドンへ渡る前の時代を考えれば画然たる相違がみられる。自分が住んでいた当時(1970年代の前半)では外国人を街で見かける機会はそれ程多くは無かった事を記憶している。翻って現在の日本では外国人を見かけない事の方が難しい程である。

そんな視点から日本人の文化や習慣等が以前より少し理解されてきた様に思う。

海外から観光などで日本へ行った人達が驚く事の一つに、『天気が良く快晴であるにも関わらず傘を差している人が居る事』があげられる。言わずと知れた日傘であるが日本で生まれ育った者には理解も容易い。日本の女性は特に日に焼ける事を気にする傾向にある。色白が美の重要な要点として尊ばれるのが最も大きな一因であろう。

これとは逆に欧米の(特に北ヨーロッパの国)では、太陽が出て居る時は日焼けをする大変貴重なチャンスである。この機会を逃すと体調管理にも支障をきたす事にもなる。理由も分からなかった渡英直後の頃は、初夏の肌寒い様な日でも、男女を問わず太陽が出ている日には公園のいたる所で水着で日光浴をしている人達を見て驚いた経験が有る。

日照時間が日本等の国と比べれば圧倒的に少ない北ヨーロッパの国々ではこの様な機会を逃す事は無い。又日焼けした人達は健康的に見えるだけではなく、自分にはホリデーを取り地中海やカリビアンのリゾート地で優雅に過ごすことが出来るミドルクラスである、と経済的余裕もアピールして居ると感じているのかも知れない。

逆に日照時間が多く、暑い期間の長い日本や東南アジアの国々では、日焼けして褐色になる事の方が嫌がられる傾向が強いのでは無いだろうか?皮膚がんが心配と言う人も居るかもしれないが、生まれつき日照時間の多い日本や東南アジア、アフリカ等の国々で生まれた人達には、メラニン色素が白人より多い事は科学的にも証明されておりその様な心配が原因とも思えない。自分が学生の頃には日本でも日焼けした男女が幅を利かせた時期も有ったように記憶しているが、今どきの学生達にとっては色白の方が魅力的に感じて居るのであろうか。

欧米文化圏の人達から見て『?』と感じる事でもう一つ、『マスクをする人の数が多い事』が有る。欧米の社会でマスク姿は街中では見かけない。飛行機で日本からロンドンに到着した旅行者が、日本と同じようにマスクをしたまま街中を歩くと怪訝な視線で見られている事が多くの日本人には理解できないのでは無いだろうか。

欧米社会でマスクをする人は、手術をする外科医又は銀行強盗くらいの者だと思った方が良い。『花粉症がひどいので』と言う理由も、日本では理解されても欧米の社会では中々理解されないのではないか。ここロンドンでもヘイフィーバー(花粉症)で悩んでいる人は多い、しかしながらその人達がマスクをしている事は殆ど見た事が無い。飲み薬や目薬で大抵は済ませている。

口元を隠す(手で覆い隠す)しぐさも、日本人の女性にはよく見られるハニカミの文化では無いだろうか。街中で突然インタビューされた女性が、恥ずかしさを表現する時に口元を手で隠すことを普通にする事が、マスク文化につながっているのかも知れない。近頃では韓国や中国、東南アジアの国々でも空気が汚染されている事もあり、マスクをする人達が多いと聞く。日本の文化(習慣)が伝搬された結果と言えるのであろうか?

口元で気が付く欧米文化との違いの一つは、日本では八重歯の人達が男女を問わず多い事も特徴の一つではないか。口元を覆う仕草やマスク文化の人達がなぜか八重歯を堂々と見せ、大笑いしている姿は欧米人には理解できない様である。「なぜ日本人は八重歯を矯正しないのか?」と聞かれた事がある。八重歯の人にはまことに申し訳ないが、欧米文化圏でイメージされるのはあの有名な『ドラキュラの牙』だからだ。日本にドラキュラは居ないので、その様な否定的なイメージが無い事も八重歯文化(?)を残している理由ではないだろうか。

この様に見てみると改めてそれぞれの国には異なった習慣や文化が存在する事が良くわかる。何気なくやって居る習慣が異文化圏の人達には不思議な視線で見られたり、時には嫌悪感を持たれたりする場合もある。ただ日本には『郷に入れば郷に従え』と言うことわざがあり、余り海外でもめ事を起こすと言う事は聞かない。宗教観の異なる国では時には難しい判断(妥協)が必要になる事もあるが、幸いにと言うべきか多くの日本人は一神教の人が少ない事もあり、何処の国でも暮らして行けると思う。

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